今年の4月はやけに暖かいですね。
暖かくなるとどうしても生き物探しに出かけてしまいます。
最近は時間を見つけては実験所近くの磯などで、シャベルや熊手を使って魚を探してます。
もう一度言います。
シャベルや熊手で魚を探してます笑
しかも水には浸かりません。
???
と思われた方、多いのではないでしょうか。
大半の魚は水の中にいるので、普通は水に潜ったり、潮だまりで網を使って魚を探したり採ったりします。
ただ、ここ数年でほぼ干上がったような場所にも適応した魚がいることが明らかになっており、多様性も高くコレクター性も高いことから、全国に多くのシャベル・熊手での魚採りマスターが出てきているみたいです。
いったいどんな魚かというと、見た目が細長い、ハゼの仲間です。
実は以前ブログに少し載せてます。
ミミズハゼというグループのこの魚たち、僕は2019年に有名なハゼの研究者の方が出版した論文(https://www.fujimu100.jp/app/files/uploads/2019/04/Tokai-shizenshi12-05.pdf)でこんなにいるのかと驚いた記憶があります。
同時に、見た目が似ているものも多かったため、本当に別の種なのか?とも思いました。
しかしそれ以降、川の河口や浜辺で小石が積もっているような場所を気にするようになり、時間があるときに掘るようになってからは、一気に色んな種類に出会えるようになりました。
そしてつい先日、鹿児島大学でミミズハゼの分類の研究をされている方と共著で、宮崎県沿岸から初記録のミミズハゼの仲間を6種報告しました。
以下より読めます。
この報告以前にも、実は研究室の後輩と一緒にナンセンハゼという種類のミミズハゼを宮崎県から見つけており、報告しておりました。
ほかにも図鑑などの出版物を合わせて、今回の報告以前は計6種が宮崎県沿岸から知られていました。
今回の追加で計12種となりました。
僕の手元に1種類(ミナミヒメミミズハゼ)以外は写真があったので、並べてみました。
自分で作っておいてなんですが、最高です!
刺さる人には刺さるのでは?
種ごとに微妙な違いがあって、コレクター性抜群です笑
しかもまだ未記載の種が大半みたいなので、誰も見つけていないような種類が今後も出る可能性がありそうです。
僕らはまだまだ宮崎県の海岸のごく一部でしか調査ができていないので、今後はもっといろんな方が新たな種類を見つけてくれることを祈っております。
そしてできるだけ早めにどこにどの種類がいるのかなどまで分かることを願っています。
何故かというと、これらの魚はごくごく限られた環境にそれぞれ適応してきているので、その環境が無くなるとその場所の個体全滅なんてことがあり得る魚だからです。
ミミズハゼの仲間だけでなく、その他多くの小さな生き物たちが知らぬ間に絶滅していると考えると、なんか寂しい気持ちになります。
沿岸環境は我々人間も多く利用するので、多少開発も必要かもしれませんが、多くの生き物と共存できるような環境づくりも意識されるようになってほしいですね。
というか最近は少しずつ良くなってきている部分もあると思うので、今後はさらに良くなってほしいです。
なんか感想みたいになりましたが、腹が減ったので今回は以上。