宮崎おさかな紀行

おさかな大好き大学院生のブログ

さらば宮崎。それと今後の目標。

らば宮崎。

28年間ありがとうございました。

この28年間、一度も水辺に飽きたことがないどころか、まだまだ行きたい・通いたい場所がたくさんあります。

ただ今後も定期的に宮崎に帰ると思うので、その際にそれらの場所に行こうと思います。

 

このブログで書いたかは忘れましたが、来年度からは神奈川での就職が決まってました。

1月17日に博士論文の公聴会が終了し、博論の提出も終わったので、就職前に都会に慣れるために1月末に宮崎を発ちました(不動産の契約もあったので)。

ちなみに博士論文は「日本列島の海洋生物地理区を汽水魚を用いて再編する」という内容で執筆しました。

 

それからひと月が経ちました。

今は無職なので、基本的にこれまでの標本整理や論文執筆をしながら過ごしております。

また、新しい職場に顔を出し、今後の方針決めなどもしました。

さらに、関東方面はいろんな研究機関(博物館など)が多いことから研究者も多く、それらの方々との交流機会がたくさんあるので、たまに出かけてそう言う場に参加してます。

博物館の標本整理作業に参加。何十年も前の貴重な標本たち。

 

他にも神奈川のバーで出会った方々と仲良くなったり、家族旅行でクルーズ船乗って、沖縄本島宮古島、台湾に行ったり(なぜ行けたか未だに分かってない)...

色々と楽しんでます。

最近このBarにはまっております

こんな船乗る機会はもうないと思う笑

 

神奈川に来て、あっという間に日が過ぎて驚いてます。

とはいえ家にいる時間も長いので今後の目標なんかも考えたりしております。

 

直近の目標としてまずは論文完成です。

博士論文は提出できましたが、その中にはまだまだジャーナルに出せてない未発表データが多く入っているので、それを今の期間に可能な限り完成させたいです。

仕事が始まる前にどれだけ進められるか、集中して頑張ります。

 

次にカメラの購入です(これは仕事が始まってから)。

魚の標本を家でも作るため、良いカメラを買おうと思ってます。

今のところ、NikonSonyで迷っております(特に以下の3機種)。

www.nikon-image.com

www.nikon-image.com

www.sony.jp

 

これまで標本写真撮影の際にはNikonの一眼を使っていたので、慣れの観点からNikon D850を候補に入れております。

しかし、最近人のミラーレス一眼を借りる機会があって、その取り回しの良さに惹かれました。

Nikonにもミラーレスがあるのでそれも候補に入れておりますが、借りたカメラがSonyのもので、あまりに画質が良く驚きました。

色々調べるとこのSonyのα7Rシリーズは有効画素数が6000万越え...

これまで2000万~3000万のカメラしか使っていなかったですが、この画素数は写真加工の際に驚きました。

切り抜き等の際、被写体と背景の境がはっきりしており、非常に作業がしやすかったです。

これが借りたSonyのカメラで撮影した写真。魚の輪郭がはっきり。

他にも長期目標なども考えましたが割愛。

とにかく上記の2つを叶えるため、今やれることを進めつつ、新生活に備えたいです。

宮崎での活動まとめ的な内容もいずれ書きます。

ではまた。

幻と言われた宮崎県のアカメ(論文紹介)

の魚、怪魚などの異名を持ち、多くの釣り人が追い求めるアカメ。

本種は日本固有種で、近年は日本本土の暖温帯各地で見つかっているものの、宮崎県と高知県が主な分布域とされております。

大淀川学習館に展示されていたアカメの魚拓(?)

ちゃんと目が紅く表現されていた。

 

この魚、小さいときは河川の汽水域が必須で、その中でも藻場(コアマモなどの海草が生えている場所)が重要な成育場とされています。

この汽水域環境や藻場が開発などの影響で悪化・減少したことなどを踏まえ、宮崎県では2006年より本種の許可なしの捕獲等が禁止されています。

(実際当時はアカメの個体数も相当減っていたそうです)

www.pref.miyazaki.lg.jp

 

本種に規制がかかったことは良いとして、規制をかけて保護するからには規制後の個体数の変化などの調査が求められます。

しかし、2006年以降アカメの宮崎県の調査報告などはなく、ただただ条例を定めただけの状態になっていました......

 

そこで2015年から許可を取ったうえでアカメの採集をしていた僕らの研究室のデータだけでも公表しておこうと思い、今回宮崎県のアカメ情報を更新した報告を出させていただきました(以下のリンクより読めます)。

https://www.researchgate.net/publication/376892747_Reexamination_of_records_of_Lates_japonicus_Teleostei_Latidae_from_Miyazaki_Prefecture_southern_Japan_with_notes_on_monitoring_method_gongqixianyananniokeruakamesuzukimuyuleinochuxianjiluoyobimonitari

 

大雑把に内容を紹介すると、

 

①2006年以前に知られていた箇所全部での調査は無理、しかしそのうちいくつかの地点では2015年以降も確認できた

②2006年以前知られていなかった場所でも新たに確認できた箇所あり

③採集の許可を取っていない箇所でも、水上から一切触れずに撮った写真が証拠になる

 

となります。

 

現状では宮崎県での本種の採集は禁止されてますが、もしリリースを条件に採集許可が出れば、釣り人たちと協力して本種の情報を備蓄できそうです。

そのため今一度規制の見直しが必要だと考えております。

ただし、リリース後の生存率などもしっかり考慮する必要がありそうです。

 

あと、根本的に本種は大型で存在感や認知度が高いのでこのような扱いをされておりますが、もっと環境変化に弱い種は魚に限らずたくさんいると思います。

今後我々ヒトの活動によりそのような種が見ず知らずのうちに消えないようにしていくことも考えていかないといけませんね。

熱帯性のエイが宮崎県に!(論文紹介)

回は熱帯性の危険なサメが宮崎県で確認されたという内容の論文を紹介しました(以下より)。

yukiyalates.hatenablog.com

 

今回も似た内容ではありますが、別の種類の熱帯性の魚が宮崎県で確認されたので紹介します。

独特な模様をしています。

海がどんどん変わってきている、というのは宮崎県の漁師や釣り人の方からよく聞く言葉です。

海藻が減った、魚やイセエビが獲れなくなってきている、ウニやサンゴが増えた...など、よく聞きます。

そんな中でも最もよく聞くのが、これまで見たことないような魚が獲れたという話です。

 

日本列島の南部は黒潮という暖流の影響を非常に強く受けています。

黒潮フィリピン諸島付近から台湾東部、琉球列島西部、トカラ海峡を通り、東九州九州の沿岸にやって来ます。

黒くて澄んでいることから栄養などが少ない海流ですが、南の方から様々な生き物の卵や仔魚などを運んできます(※1)。

そのため東九州から本州中部にかけての太平洋沿岸は、特に夏~秋にかけて多くの熱帯性魚類が出現します。

 

宮崎県沿岸は日本本土の中でも黒潮の影響を真っ先に受ける海域で、多くの熱帯種が現れます。

特に近年は分布を北に更新してくるような種も多く含まれます。

 

2022年11月、とある河川の調査中にいつも珍しい魚を分けてくださる漁師さんから、変なエイが獲れたと連絡が来ました。

調査から帰ってすぐ漁港に向かうと、まだ生きてる状態でキープされておりました。

かごに入った状態でした。

早速持ち帰るために水から出して本当に感動しました。

というのも、このエイはヒョウモンオトメエイという種類で、図鑑等でイラストを見たことがあり、一度は出会ってみたい魚だったからです。

基本的に宮崎県で見られるエイは背中が茶色一色のものが大半です(とはいえどの種もかっこいいし大好きです)。

一方このエイは模様がある上に、ムチのように長いしっぽを持っていたので、世界一かっこいいエイだなとイラスト見た時に思っておりましたが、まさか宮崎県で生きてる姿を拝めるとは!

スポット模様と長いしっぽがかっこいい!

これまで日本本土で記録がないことは知っていたので、持って帰って標本にして、論文にすることにしました。

そして色々文献を調べてみたところ、日本での本種は主に図鑑等でしか記録されておらず、日本産の標本の記載がないことが分かりました。

ということで早めに論文書いて発表しました。

今年10月の日本生物地理学会の英文誌Biogeography誌に掲載されました。

 

論文は以下より

https://www.researchgate.net/publication/375029369_Record_of_the_Leopard_Whipray_Himantura_leoparda_Chondrichthyes_Myliobatiformes_from_Kadogawa_Bay_northern_Miyazaki_Prefecture_Japan

 

ヒョウモンオトメエイ、沖縄でもたまに獲れるみたいです。

以前のオオメジロザメ同様、この個体が琉球列島の方から来たのか、フィリピンや台湾から来たのかが気になります。

 

今年はまだまだこれからが珍しい熱帯種ラッシュだと思っているので、楽しみです!

 

※1: Endo & Matsuura. 2022. Geography, Currents, and Fish Diversity of Japan. In: Kai, Motomura, & Matsuura (Eds.) Fish Diversity of Japan: Evolution, Zoogeography, and Conservation, pp. 7–18. Springer Nature Singapore, Singapore.

宮崎県大淀川の危険ザメの話(論文紹介)

喰いサメっていうとJAWSをはじめとする数々の映画を思い浮かべます。

ただ、実際にそんなに恐ろしいサメが我々の周りにいるのでしょうか。

 

McPhee (2014)(※1)によると、1982~2012年にかけて、非誘発的な(ヒトがちょっかいを出していないのに)サメにかまれるケースは年々増えているそうです。

2012年は世界中で計80件ほど事故が起きており、15人前後が亡くなっております。

世界56か国でサメの事故が知られ、特にアメリカ、オーストラリア、南アフリカは報告件数が多いとされています。

近年は海洋レジャーが盛んになっており、ヒトと海洋生物の行動範囲がかぶることも増えており、事故が増えているかもと言われています。

これらの事故を起こすサメの中でも、特に危険なのがホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種です。

イタチザメの幼魚。宮崎県の沿岸でもまれに漁獲される。写真の個体は宮崎県南部産。
(この写真、かなりの自信作です笑)

上記3種のうち、前者2種は主に沿岸や沖合などで見つかるサメで、ダイビングや釣りなどのレジャーや漁業中に出会う確率が高いサメです。

残ったオオメジロザメに関しては、他2種というか、他の色んな種類のサメの中でも非常に特徴的な生態を持っています。

それは、純淡水(真水)も平気という性質です。

つまり、川も平気で入ります...

 

さて、2015年9月、宮崎県大淀川の河口で釣りをしていた方が、釣った後にヒモにつないで活かしていた魚が何者かに食われました。

さらに後日、その釣り人の知り合いの方が同じ場所で約70 cmのサメを釣っています。

さらにさらに翌月の10月に、同場所で生きた状態で体の後半部が欠損し、血を流しながら打ちあがったコイをその釣り人の方が発見。

彼は間違いなくサメの仕業だと確信し、それからひたすら通い続けました。

打ちあがっていたコイ。ペットボトル3個分より大きそう。押川氏撮影。

 

そしてついに、翌年の5月に104 cmのサメを釣り上げたそうです。

釣ったサメの写真を撮り、食べたいと言った彼の友人にあげたそうです。

釣り人の努力によりようやく釣りあげられた大淀川のオオメジロザメ。押川氏撮影。

彼はこの一連の流れをSNSに投稿しており、それを発見した私が連絡を取り、写真や情報を提供していただけることになりました。

写真からこのサメをオオメジロザメと同定し、これまでの分布域(日本では琉球列島しか知られていなかった)よりも北にある宮崎で採れたということで、論文にすることになりました。

 

このオオメジロザメ、世界中の熱帯や亜熱帯域に分布しています。

近年では温帯域でもちょくちょく報告が増えてきています。

また、世界中の本種の遺伝的な解析を行った論文(※2)によると、日本の琉球列島は遺伝的に他地域とは異なる固有の個体群ということも分かっています。

そのため、宮崎県のような日本の本土域で今後本種が得られたら、遺伝的な解析をしてみると、琉球列島から流れてきているのか、はたまた別の海域由来の方いなのかも判明すると思います。

今回は写真だけの記録ですので、次は標本が欲しいところです。

(誰か釣って~笑)

 

そして、上述のように危険なサメではありますが、漁業や環境改変等により数を減らしているとされています。

また、サメやエイの仲間は成熟までの期間が長い上に、胎生に種も多く、一度に出産する数が少ないことも知られております。

このことから、オオメジロザメはIUCNレッドリスト絶滅危惧種に指定されております。

そのため、危険だからと言って駆除しすぎるのも考えものです。

ヒトとの接触リスクと、本種の保全の両方を考慮した政策や呼びかけが今後望まれますね。

 

最後に、今回のように釣り人を含む多くの方々が持っている情報の中には、希少種のデータとして重要なものが含まれている可能性があります。

今後はそのような方々が、気軽に研究者に連絡を取れるような仕組みや流れができるといいですね。

 

ということで、これらの話をまとめた論文が先日、イギリスの学会誌から出版されました(以下リンク)。

興味のある方はぜひ読んでみてください(オープンアクセスではないので、読みたい方がいらっしゃしましたらご連絡ください)。

doi.org

 

もし、宮崎県や鹿児島県などでサメを釣ったという方がいましたら、ご連絡ください。

結構貴重なデータになるかもしれないです。

 

※1: McPhee. 2014. Unprovoked shark bites: are they becoming more prevalent?. Coastal Management 42: 478–492. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/08920753.2014.942046

※2: Devloo-Delva et al. 2023. From rivers to ocean basins: The role of ocean barriers and philopatry in the genetic structuring of a cosmopolitan coastal predator. Ecology and Evolution 13: e9837. 

https://doi.org/10.1002/ece3.9837

 

学会、友人の結婚式!!つまりひたすら飲み会!!!

本中のお魚好きが集結するイベント、魚類学会。

9月1~4日にかけて、長崎大学で開催されました。

 

実は2年ほど前にZoomでのオンライン開催の時の学会は参加しておりましたが、対面での参加は今回が初なため、とてもワクワクしておりました。

僕は後輩たちと一緒に、車で長崎に向かいました(運転めちゃ疲れました...)。

 

今回僕はポスターで発表を行い、その分野で著名な方を含む多くの方々からご意見やご感想いただけて、非常に有意義な時間でした。

他の方の発表も参考になるものなどが多く、良い刺激を受けました。

この魚に関する発表をしました

 

学会期間中、SNS等でお互い知ってはいたものの、これまでお会いできていなかった方々や、学会で初めて会った方々、久々に会えた方々とたくさん話ができました。

毎日飲みに出かけ、いろんな人と交流できました。

長崎に住んでいる高校時代の友人も急な呼び出しにもかかわらず来てくれた!

お会いした方々、誠にありがとうございました!!!

長崎着いてすぐのビール。運転の疲れが吹き飛びました笑

ヒラマサうまかった!!

さし飲みもビールから。

ちゃんぽんも食べれて満足!

 

そして8,9月にそれぞれ1回ずつ、友人の結婚式に参加してきました。

大学時代の友人と、中学時代の友人の結婚式でした。

友人たちの幸せそうな姿がみれて、大満足。

旧友たちとの近況報告もでき、こちらも幸せをたくさん受け取れた素敵な時間でした。

結婚式呼んでくれてありがとうございました!!!!

おしゃれで美味しくて、しかも結構量があった。

スイーツバイキングが急に外に現れた!2周した笑

 

人とのかかわりが多かったここ数ヶ月、いろんな刺激を受けたので、それを活かして残り数か月(予定)の学生生活頑張ろうと思います。

(あまりにバタバタで更新が遅れました...)

 

水族館!川遊び!!漁師祭り!!!

すぎる...

人生であまりエアコンを使ってこなかったのですが、今年は家にいるときは常に冷房を付けっぱにしております。

 

さて、今月バタバタでしたがイベント3つほどありましたので、紹介します。

まずは宮崎県北部のミニ水族館展示。

去年、宮崎大学延岡フィールド主催で開催した水族館が好評だったようで、今年は去年開催した施設の方と共同開催で行いました(去年の記事は以下より)。

yukiyalates.hatenablog.com

yukiyalates.hatenablog.com

 

今年は主催ではなかったので気は楽でしたが、天気の良い日が少なかったので展示する生き物採集に苦戦しました。

今年も僕のSNSなどを見た方がたくさん来てくださって、充実した展示期間となりました。お越しの方々、ありがとうございました。

最終的に5日間の展示で800人を超える来場があったようで、今年も非常に良い経験となりました。

去年と配置は似てますが、展示生物は結構変えました。

汽水のヨウジウオ類。こんな魚いるんだという反応が見たかった笑

外来種の展示は解説に気を遣います。

メッセージ性のある水槽も。

 

次に県内遠征調査。

どこに行ったかというと、コウライオヤニラミという韓国などが原産の外来魚が増えてしまっている場所です。

県外の研究者の方からお誘いいただいたので、研究室の後輩も誘って行ってきました。

以前調査した時にはまだ侵入していなかった支流や堰上にも生息しており、すでに悲惨な状況に思えました。

ブラックバスのように釣り人による他の川への分散がないことを切実に祈ります。

夜の川のコウライオヤニラミ。障害物の陰でじっとしています。

ここまで増えると完全な駆除はほぼ不可能...


そして最後は漁師祭り。
いつもお世話になっている漁師さんから、2ヶ月ほど前に連絡をいただき、祭りのお手伝いをすることになりました。

前日の準備は、朝から激しい雨が降っていましたが、たまに弱くなる時を狙って物の搬入やごみ拾いなどを行いました。

そして当日、前日までとは打って変わり青空が!

いろいろなイベントがありました。

 

魚のつかみ取りイベント、漁師によるヒオウギ貝やサーモンの浜焼き、綱引きなどがあり、最後は花火で締めくくるという、朝から晩まで人の絶えない大盛り上がりの祭りでした。

人生の祭りの中で、一番楽しめました。

楽しすぎてビール飲みすぎた!!

その日に定置網で採れた魚たち!レアな魚もちらほら。

ヒオウギ貝がなんと2枚で300円!!!うまかった!

魚のつかみ取りは一番盛り上がってました!

花火。ビール売るのが忙しくてほとんど観てません!

 

先月は、彼女に振られる、とうとうコロナというやつにかかる、というさんざん泣いた辛い月でした。

打って変わって今月は、紹介した内容以外にも就活や学会準備があり、ものすごく忙しくも充実した日々になっております。

来月も学会があったり、県内離島遠征に行ったり、論文仕上げたりと盛りだくさんです。

いろいろ辛いことや思い通りにいかないこともありますが、それ以上に日々楽しいことがたくさんあって充実しております。

学生生活も残りわずか、全力で過ごしたいと思います!

 

論文紹介(宮崎県ヌエハゼ・宮崎県南部水中写真魚類相)

崎県、今週はずっと晴れが続くみたいです。

梅雨明けしてそうですね。

気を抜いたら一瞬で熱中症になりそうです...

 

さて、先月末に2本論文が公開されたので紹介します。

 

まずはヌエハゼというハゼの仲間に関する内容です。

このハゼは東日本の太平洋沿岸に分布していることが知られていました。

ある日、後輩たちと釣りをしていると、後輩の一人がハゼが釣れたと言って持ってきたのがこのヌエハゼでした。

捕まえてすぐのヌエハゼには水色の美しい斑点がありました。

見た瞬間に、これ絶対に宮崎県から知られてない種類だと思い、丁寧に持ち帰って標本にしました。

その後色々調べると、宮崎県中央部の砂浜の魚類調査で記録されていましたが、名前のみの記録だったため、ほかの論文などで引用されておりませんでした。

そのため証拠資料に基づく記録として価値があると思い、報告しました。

執筆の最中知り合いがこのヌエハゼを県央部の砂浜海岸でのルアー釣りでひっかけていた写真をFaceBookの投稿で発見しましたので、その方も共著で投稿しました。

今回初めて魚類学会の和文誌に投稿しましたが、査読の質が高く、おかげさまで投稿時よりも相当丁寧な内容になりました。

査読の方、ありがとうございました。

 

魚類学会の会員は以下のリンクから読めます。

www.jstage.jst.go.jp

 

次に宮崎県南部沿岸の魚類の記録です。

この論文はダイバーさんの撮影した水中写真を基にした報告です。

2005年から2012年の間に収集された写真を研究室の後輩が整理し、出現した種をカウントしたものになります。

同時に、宮崎県北部の魚(門川の魚図鑑掲載種)との生物地理学的な組成の違いも比較しております。

宮崎県の沿岸には海洋生物の分布の境目が存在すると言われてきましたが、定性的な検証により、その境界の存在の有無の議論を行っております。

以下リンクよりぜひ読んでもらいたいですが、写真の画質も高いためダウンロードに時間がかかります。

wi-fi環境でのダウンロードを推奨します。

www.jstage.jst.go.jp

 

これから魚集めが楽しい夏がやって来ますが、やるべきこともたくさんあるので、全力で取り組んでいきたいと思います!!

7月末には1つ完成させたい原稿があります。

 

これまでの論文等へのリンクは以下のWEBサイトよりご覧ください。

sites.google.com