年末に2本、共著論文が出たのでまだホットなうちに紹介します。
約8年間、いろんな川や池などで調査をし続けた成果です(内容は喜ばしいものではありませんが...)。
以下のリンクよりダウンロード・閲覧可能です。
ここ数年で宮崎県にはコウライオヤニラミという結構厄介な外来種が定着し、増えていることが明らかになってきました。
ただ、それ以外にもいろんな魚が見つかりました。
宮崎県は阿蘇山の噴火などにより、河川の魚の種類が極端に少ない地域です。
なので一度他の地域から別の種が持ち込まれてしまうと、競合する種が少なく、一気に広がってしまう可能性が高いです。


日本人が古くから親しんできた魚も、「人の手を介した移動」がなされればそれは外来種となります。
よく驚かれるのが、メダカやコイも外来種になりうる、ということです。
しかもメダカやコイは品種改良がされている個体が、野外で見つかることもあります。
川に行ってニシキゴイが泳いでいる姿はどう考えても不自然ですが...

ニシキゴイや金魚を愛でる日本人の古くからの考え方を大切にするからこそ、今後は自分の管理下で終生飼育をすることが当たり前という風に変わっていってほしいものです。
人が簡単に移動できる、生き物を簡単にネットやショップで購入できる時代だからこそ、生き物との接し方はより一層気を付けていくしかなさそうですね。
特に若い世代への教育は大事だと個人的に思っています。
次に宮崎県北部からのクロソイ(幼魚)の記録です。
こちらも以下のリンクよりダウンロード・閲覧可能。

地域によってはクロソイなんて普通種で、釣りでも漁業でもよく見られる魚なのに、報告の価値はどこにあるのか、というのを簡単に説明します。
今回のクロソイ初め、メバルの仲間やカジカの仲間などの冷たい海域を好む魚は、日本本土の太平洋沿岸南部付近でその分布域が分かりやすく制限されています。
つまり宮崎県や高知県よりも北側にしか分布しない種がいます。
これは黒潮という暖かく流れも速い海流の影響もあると考えられています。
宮崎県は南北に長い海岸を有しており、しかも県央部に約55kmの砂浜海岸が続くため、その砂浜を境に分布が北に偏る種がここ数年で数多く報告されてきました。
詳しくは以下の論文で紹介されていますのでご覧ください。
クロソイは太平洋沿岸では土佐湾や愛媛県(瀬戸内海)が分布の南限域になるため、今回の個体はそのあたりの海域から偶然流れてきた個体だと個人的には思っています。
しかも本種は冷温帯性の魚でしかも岩礁域を好むため、宮崎県県央部の砂浜と南から流れてくる暖かい黒潮の影響で、宮崎県北部から南部への移動できない魚の可能性が高そうです。
今回のクロソイも、いる場所にはたくさんいる普通種という認識ではなく、この海域でさんざん探したが見つからなかった、つまりはこの魚はここには常在していない、という後輩の勘から論文になったものです。
いろんな海域で定期的に魚集めをすることはやはり大切ですね。
去年から宮崎県ではなく神奈川県にフィールドを移しましたが、今後もそのようなモニタリング調査を続けていきたいものですね。
(学生たち、ご協力よろしくお願いします笑)