ついに!!出ました!!!
2022年9月末に採集されてから早2年半、ようやく出版に至りました!
主著は後輩のSくんです。
本当にお疲れ様でした!
論文は以下のリンクより無料で読めます!!
まず今回発表した個体の入手の経緯をお話しします。
2022年の夏ごろに、いつも珍しい魚を取っておいてくださる漁師さん(おそらく日本でトップクラスの魚観察力を持つ方)に、「時期的にシジミハゼっていう黒っぽい熱帯性のハゼが黒潮で流されてくるはずなので、もし見かけたら欲しいです!」と伝えたのが始まりです。
その会話から1、2週間後に「ぽいのが採れたよ」と連絡があったので、そのまま受け取り標本にしました。

それまでシジミハゼを見たことがなかったので、標本にし始める前までは本気でシジミハゼだと思っていましたが、ひれを立てながら、なんかずいぶん丸っこい体のハゼだな、と違和感を覚え...
気になって調べてみますが、シジミハゼ含む日本で知られているクモハゼの仲間のどれとも異なる気がしてきました(ちなみにこの瞬間が一番楽しい!)。
とはいえ胸びれの上部に糸状に遊離した軟条があることなどからクモハゼ属ではありそうだと考え、色々調べてみたところ、以下の図が目に留まりました。

最初に載せた写真と見比べてみてください!
びっくりするくらい顔つきがそっくりじゃないですか?
この図を見た瞬間にキタコレ!となって一人で発狂しておりました笑
もちろんその後色々調べたうえで、ほとんどの特徴がこのpanayensisという種に一致していました。
そして本種はフィリピンのパナイ島の1個体以外知られていなかったため、今回の個体が世界で2個体目の正式な標本であることが判明しました!
本種のちゃんとした発見としては実に118年ぶり!!
そんな瞬間に立ち会えて幸せです!!
その後、2023年9月の魚類学会でこの内容を発表し、さらに1年半年ほど経ちましたがようやく論文になりました!
本種はクモハゼ属Bathygobius(世界に26種有効種が知られている)に含まれる魚で、ほかの種とは頭部に鱗が(ほとんど)ないことで見分けられます。
その特徴を踏まえ、Sくん提案の「ボウズクモハゼ」という和名を新しく提唱しました!
顔つきもどことなく坊主っぽくて、非常に適した和名だと思います。
余談ですが、著者らの間では最近までパナイハゼって呼んでました笑
最近、頭部に鱗が少ないクモハゼ属の1種が海外で記載されておりましたが、そちらは水深18m付近の海綿に引っ付いて生活しているそうです(以下より読めます)。
Sくんの考察ですが、もしかしたら水深が深くなると、潮間帯ほど石や転石の隙間に入る機会が少なくなるため、頭の鱗が必要なくなってくるのかも...とのことです。
なかなか面白いですね!
そして最後になりますが、どうやら本種、日本国内でダイバーにより水中写真が撮られている可能性が出てきました。
主著のSくんが色々と調べて、以下のブログなどに載っている「クロホシヤハズハゼ」とされている個体、どうもボウズクモハゼではないかと疑っております。
今後、今回の論文を受けて、追加の標本や写真などの情報が増えると嬉しいです!
もし何か見つけたら、いつでもご連絡ください!!
今後は神奈川でもこういった魚見つけたいので、色々出かけて探し回ります!!