宮崎おさかな紀行

おさかな大好き大学院生のブログ

太刀魚って名前はそれでしかない

近、とある川の「河口域」で太刀魚が釣れているとの情報が。

僕のメインの研究対象が「河口域に出現する魚」なので、その情報を聞いてすぐに駆け付けました。

釣り場は多くの釣り人でにぎわっており、そこらじゅうでギラっと釣りあげられる瞬間の太刀魚のきらめきが見えていました。

今回は手返しの良いルアー(疑似餌)での釣りをしようと思い、メタルジグ(魚風に色を付けた鉛)を投げて狙ってみました。開始早々、いきなりアタリがあり、ふっと軽くなる感覚が。やられました。太刀魚です。彼らは歯が非常に鋭く、糸を容易く切ります。

その後もあきらめきれず何回も投げ通して、ようやく1匹釣れました。これは貴重なサンプルとして標本にすると決めたので、可能な限り体の左面を触らずに持って帰りました。なぜ左面を触らないかというと、研究で使う魚の写真を残すときは、基本的に頭を左にするので、左面が写真に残るからです。太刀魚のような銀色の魚は色がはがれやすく、触ったり氷が付いたりするとどんどん白っぽくなります。今回釣れた個体は慎重に持って帰ったので、ものすごくきれいな状態で写真を残せました。

しかし美しい魚ですね。形も太刀そっくりですが、この銀色のメッキ感がより金属の質感っぽく、太刀感が増していました。

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ほぼ触らずに持って帰ったので、メッキ感を残せました

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この鋭い歯でスパッと糸を切ります
魚の写真の撮り方は今度書きたいと思います。
結果的に釣れて大満足でしたが、嫌なこともありました。
釣り中の出来事です。釣りに行った川の右岸は立ち入り禁止だったので、僕らは左岸側に回って釣りをしました。しかしなぜか、対岸側の禁止区域にたくさん釣り人がいました。その方たちはギャング針という仕掛けを使っていて、大型の針だけで魚をひっかけるという釣りをしていました。そのひっかけ釣りする人たちの鉛が、反対岸にいる僕らのほんの数m目の前に飛んできたり、その方たちと糸が絡まったらめちゃくちゃに怒鳴ってきたりしました。横で釣りしている方はたくさん釣れたタチウオを解体して、頭と尻尾を何故か陸に捨てて帰っていました。
まあ、こんなことだから立ち入り禁止の釣り場が増えるし、漁港は汚れるし、釣り人って自分勝手だと思われるんでしょうね、とかなり嫌な気持ちでしたね。
せっかく自然と触れ合ういい趣味なのに、そんなことして楽しいのかなと本気で考えました。当然ですが、釣り含め何するにしても、ルールは守りましょう。