宮崎おさかな紀行

おさかな大好き大学院生のブログ

魚に和名を付ける

き物には色んな名前があります。

学術的に最も正式な各生物群の名前とされているものは「学名、scientific name」で、ラテン語を用いて属名と種小名の二名法で、しかも斜体で表記されます(例:ヒトの学名はHomo sapiens)。

この学名の体系は1758年にリンネが採用した考え方で、今では世界共通の生物の正式な名前として用いられています。

しかし、覚えづらく読みづらいという難点があります。

 

一方日本では、日本語による生き物の呼び方が古くから存在しており、今では

「地方名」(例:宮崎県では平たいアジ科魚類を「えば」と呼ぶ)や「品種名」(例:同じ犬という動物でも「チワワ」や「ダックスフンド」のような犬種がある)などを含む「和名」という形で流布しています。

それらたくさんの和名の中でも、学術的に正式な日本語版の学名的なものが「標準和名」です。

 

生き物1種(1分類群)に対し、複数の名前があると混乱のもとになります。

特に学術分野でそのような混乱は厄介です。

学名や標準和名はそれらを防ぎ、各種の名前を安定させ、人々への教育や普及においても大きく貢献してきたものです。後者は日本人に対して特に重要な位置づけです。

標準和名の歴史や考え方は日本魚類学会のHP(以下リンク)に非常に細かく書いてありますので、詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。

www.fish-isj.jp

 

日本の魚類学分野において、標準和名はしっかりと議論されてきたそうです。

日本産の魚には各種に標準和名が付けられていますが、2000年に東海大学出版会から出版された「日本産魚類検索 全種の同定 第二版」が起点となっています。

細かいルールなどは日本魚類学会のHPにある「魚類の標準和名の命名ガイドライン」(以下リンク)より確認できます。

https://www.fish-isj.jp/iin/standname/guideline/guidelines2020.pdf

 

長い前置きになりましたが、この度新しく日本で確認された魚に標準和名を提唱することができました!!

アキイロイケカツオ、という和名を付けました!

 

論文は日本動物分類学会の英文誌「Species Diversity」に掲載されました(以下リンク)。

www.jstage.jst.go.jp

 

実は以前にも共著で関わらせていただいた論文で、ウミヘビ科の魚に「トラノオウミヘビ」という標準和名を提唱する機会がありました(以下リンク)。

fishtaxa.com

 

今回は自分が筆頭著者の論文で和名提唱ができたので、前回よりもさらに非常にうれしいです!

次の大きな目標は、新種を発見&学名の提唱(新種記載)もしたいです!

 

なぜこの和名にしたかなどの解説はまた今度、ブログに書きます。

お楽しみに!