宮崎おさかな紀行

おさかな大好き大学院生のブログ

ホットなおさかな(タチガミフエフキ?)

の標本を集めているとたまに、SNSや論文等でここ数日ホットな種類がやってくることがある。

今朝、門川の漁師さんからの電話で、珍しいのが市場に並んでるとのことで、先取りで購入しておいてもらって取りに行きました。送られてきた写真を見て、なんか最近SNSで話題になっていたなと思い調べてみました。

するととある論文(※1)にたどり着きました。つい最近というかほんの3日前に出版されていました。

読んでみると、1種類だとされていたとある魚(キツネフエフキ)の標本をいろんなところから集めて調べたら、2種に分けられるよ、というものでした。しかもキツネフエフキと新しく分けられた種類は両方とも日本に分布することも分かったので、後者にはタチガミフエフキという和名を提唱します、とのことでした。

今朝頂いた魚はどうやらこの2種のうちのどちらかになりそうで、タチガミフエフキだったら分布の北限の個体になるという、結構テンション上がりながらもらいに行きました。(この感覚は魚好きだけかな?)

もらいに行った後実験所で標本にする作業に取り掛かりましたが、どうもタチガミフエフキになりそうで、いつも以上に真剣に、丁寧に、集中して標本にしました。

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大きくて、写真撮影に苦労した。

磯建網で獲れたので状態が悪いかと思いきや、相当きれいな状態でした。60cmを超える大型個体で、水を張った水槽に入れて撮ることはできませんでしたが、表面の水分をしっかりふき取って撮影したので、相当きれいな写真を撮れたのではないかと思っています。

こんな感じで、宮崎の豊かな海と、漁師さんたちの優しさによって、日々いろんなおさかなと触れ合いながら生活できております。ありがとうございます。

 

※1:渋谷ほか.2022.フエフキダイ科 Lethrinus olivaceus Valenciennes, 1830 キツネフエフキの新参異名とされていた Lethrinus longirostris Playfair, 1867 タチガミフエフキ(新称)の有効性と再記載.Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 17: 50–66.

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