漁師さんからの久々の連絡で、わくわくしながら漁港に行きました。
今回は大型のサメっぽいのが定置網に入ったそうです。
送られてきた写真ですぐに、これまで確認されていない魚ということが分かりました。
漁港に着くと、すでに漁師さんはいませんでしたが、代わりに木の”すのこ”の上に、その魚が置いてありました。
軽く1.5mはありそうな、サメっぽい魚です。なんとかサカタザメだった気がする、と思い出しながら、持って帰るために車に乗せようとしました。
しかし、重すぎて無理笑
え、うそでしょってくらいに重い...
ざっと30kg以上はありそうな上に持ちづらい。
10分くらい粘りましたが、あきらめて後輩に応援を頼みました。
しばらくして後輩が来てくれましたが、2人でも結構きつい...
どうしようかと思ったらちょうど連絡をくれた漁師さんが軽トラで様子見に来てくれました。
そして実験所まで運んであげようか?と言ってくれたので、甘えさせてもらいました!
実験所に着いて、今日がゼミの日だったことを思い出しました。
先日研究室配属されたばかりの学部3年生との初顔合わせの日です。
ゼミが終わるまではとりあえず、魚の周りに氷をおいて冷やしておきました。
ゼミ終了後、写真撮影へ。
その際、何となく僕の身長と同じくらいありそうと思って計ったら、ちょうど同じ180cm...
そりゃ重いわけだ....
この大きさだと、室内では撮影できません。程よい高さの階段で撮影しました。
途中、実験所の番犬プーちゃんが見守りに来たおかげか、案外すんなり撮り終わりました。
この魚、顔先がとがっているうえにサメっぽい見た目なので、「トンガリサカタザメ」という和名の魚になります。
が、実はエイの仲間です。
エラ穴が腹側にあります。
さて、ここからが大変でした。
このサイズの魚、実験所では標本に出来ません。だからといってどこかの博物館に発送しようにも、クール便の上限は15kgで、荷物の3辺の計が120cm以下でなければなりません。
これは解体して、頭だけでも保管しておけばいいだろうという結論に至りました。
包丁で捌けるか不安なくらいに大きく硬そうな魚でしたが、きれいにできました。脊椎(背骨)だけはノコギリを使いました。
捌いた後、胴体部分は食用で保管することにしました。
見た目は抜群に良いですが、ほんのりアンモニア臭がするのでサメ・エイっぽさはあります。
せっかくの機会なので、その場にいたメンバーは新鮮な刺身を1切ずつ食べてみました。
口に入れると、なぜか酸っぱいような味がしました。
ただそんなに長続きはせず、しばらく噛んでいると歯ごたえにある白身魚の刺身みたいになります。
不思議な味でした。
他の料理でも食べてみたくなったので、次の日まで身を寝かせて料理することに。
刺身は食べたので、火を通して食べてみたいということで、フィッシュアンドチップスを選びました。
少し手間ではありますが、タルタルソースも自作して、ポテトも自分で揚げて盛り付けてみました。
ネット情報では、衣にビールを使っているものが多かったので、真似してみました。
出来立てはすごくおいしそうで、余ったビールで一人乾杯をしながら食べることに。
頑張った結果、普通の白身魚のフライに近い感じでした。ただやっぱり最初は酸っぱさを感じます。
めったに食えるものではないので、今回経験できて本当に良かったです。
ちなみに今回のこのエイは、本当に珍しいらしく、どこかしらで報告できればと思っています。
その時はまた記事にしたいですね。