先週まではもう梅雨かなと思うくらいに雨降ったのに、ここ数日は晴れて暑くなりましたね。
最近はやたら岩がゴロゴロしていて波当たりの激しい浜辺や、逆に水が澄んでいて冷たい清流なんかで調査していました。
ゴロタ浜には、最近SNSのお魚界隈で大人気の、とあるハゼの仲間を探しに行っておりました。
波打ち際のゴロタ石や、その下に堆積した礫の中には変わったハゼの仲間がいて、しかもまだまだ知られていない種類がたくさんいるかも、ということがここ数年で分かってきています。
特にミミズハゼというハゼの仲間は、2019年にハゼの研究者の方が静岡県からたくさんの種類を報告して(※1)、そこからSNS等でいろんな方があげ始めた気がします。
宮崎県沿岸もまだまだ知られていない種がいるかもということで、僕らも海の調査に行く際は、よくスコップ等を使うようになりました笑
2021年には後輩と一緒に実験所近くで採集したミミズハゼの仲間を報告したこともあります(※2)。
そんな中ごく最近、宮崎県沿岸でミミズハゼに似たような種類の珍しいハゼが報告されていました(※3)。
当然僕らも知らなかった種類だったので見てみたいと思い、その論文を読んで場所の検討を付け、浜辺に行ってました。
結果として、初めて行く場所だったので目当ての種類には出会えておりませんが、思いがけず別のミミズハゼには出会えたので、良しです。
そして土曜日は後輩のフィールド調査に同行しました。
ここでは何を探したかというと、レッドリスト2020で絶滅危惧II類に指定されている、アリアケギバチという魚です(※4)。
ただややこしいのが、今回見に行った川ではこの種は外来種(もともとその場所にはいなかったが、ヒトの活動などで移入された種)と言われていることです。
前に在来の場所でも調査しましたが、その場所よりもたくさんいました。
数年前は少なかったですが、確実に増えてそうです。
ここのアリアケギバチ、前行った場所より圧倒的に動き回るので、写真が難しかった...
明日から東京です。
人混みがどうしても苦手なので、結構つらい....
※1:渋川ほか.2019.静岡県産ミミズハゼ属魚類の分類学的検討(予報).東海自然誌 12:29–96.
https://www.fujimu100.jp/app/files/uploads/2019/04/Tokai-shizenshi12-05.pdf
※2:山﨑ほか.2021.宮崎県延岡市から得られた標本に基づく東九州初記録のナンセンハゼ.Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 5:16–19.
※3:是枝・本村.2022.宮崎県沿岸から得られたコマハゼとクロコマハゼ.Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 20:13–25.
http://www.env.go.jp/press/files/jp/114457.pdf